2009年12月6日日曜日

ラッキーマン













ラッキーマン (SB文庫)

マイケル・J・フォックスが幼少期の頃のことから、
ハリウッド・スターとしてブレイクし、その後、
30歳の若さでパーキンソン病だと診断されてからも、
俳優の仕事を続け、引退するまでを、
ありのままに彼自身の言葉で綴っています。

しかし、その内容は、決して同情を誘うものではなく、
意外なほど知的で、緻密で、時として皮肉たっぷりの文章で、
自分の感情をも客観的に語っています。

また、パーキンソン病になったことで、
いろいろなことに新たな気づきが得られ、
幸せを感じられる様になったことを「贈り物」だと言います。


以下、本文引用。

もしだれかがいまこの部屋に駆け込んできて、
きみが診断を下されてからの十年間を魔法で消してしまい、
昔のままのきみで過ごせる十年と取り替えてくれるという取引をしてきた、
と宣言したとしたら、僕は一瞬の躊躇もなくこう言うだろう。
「出ていってくれ」と。

パーキンソン病のことはぼくにはどうすることもできない。
だが、アルコールはそうではなかった。
ここでは、少なくともぼくは選択することができた。
で、ある日、ぼくは選択をしたのだ。
その選択をする手助けになったということで、
ぼくは初めてパーキンソン病に感謝した。
この病気が与えてくれた「贈り物」のひとつに、
自分の残りの人生がはっきり、くっきり見渡せるということがある。
パーキンソン病が人生のさまざまな面をどんどん支配していくという
残酷な仮定のおかげで、自分がまだ自由にできる分野があるありがたさが
わかってくるのだ。
パーキンソン病はいやおうなく、患者の自由になることとならないことの区別
を、そして患者がまだできることは守らなければ、ということを教えてくれる。

ぼくが得た教訓とはこういうことだ。時間や失ったもののことをあれこれ
思い煩うのではなく、一日一日を大切にし、前に進み、なにか大きなことが
起こっていること、なにごとにもそれ自体のタイミングやバランスがあるのだ
ということを信じることが大切なのだ。

神様、自分では変えられないことを受け入れる平静さと、
自分に変えられることは変える勇気と、
そしてそのちがいがわかるだけの知恵をお与えください。

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